【第5回】FLASHがセクシーだった時代
2020年11月09日(月)

【第5回】FLASHがセクシーだった時代

「ピンポーン」
電通本社ビルのエントランスに、温もりに欠けた乾いた電子音が鳴る。
「はい、止まってくださーい」
続いてこれまた機械的に誘導する係員。
ビーサン、短パンのぼくは入館チェックを受けることを余儀なくされ、少しだけアポの時間に遅れてしまいました。

他にも、悲しいエピソードがあります。
別件で、渋谷にある企業に打合せに向かう途中、行きと帰り、1回ずつ職務質問を受けるという快挙。

1回目なんか、警察官に
「これから、どこに行く予定ですか?」と聞かれたので、
「そこのビルの企業さんと、今後のマーケティング戦略についてミーティングです」と答えると、
「フフッ。ウソはいかんよ、ウソは。」って鼻で笑われる始末。
人は見た目で判断しない方がいいですよー。
もし、ぼくが約束の時間になっても現れなかったら、何かしらに止められていると思ってください。

こんな過去から、ついたあだ名が「IT野生児」です。

野生児が天下の電通に何の用事ですか?
れっきとした、打合せのためでございますよ。
メモ帳アプリの制作を受注した時の話しです。

東京ガスのキャラクターを長年勤める「ガスパッチョ」
こちらのデスクトップアプリの開発を請け、2008年にローンチしました。
今から12年も前の作品ですが、今でも調子良く動いていますね。
開発言語はActionScriptでFLASHのインターフェースで制作しました。

2000年時代の主役だったFLASHもついに2020年年末をもってサポート終了となってしまいます。
これまでにFLASHで納品してきたアプリは数知れず。
とてもお世話になってきただけに、1つの時代が終焉を迎えるのはとても寂しい気持ちになります。

◎タイドグラフ(潮見表)
◎待ち受け時計
◎カラーシミュレーター
◎占いゲームのインターフェース
◎東武東上線駅のタッチパネル

FLASHって、デザインとプログラムの融合。
デザインだけの人にはハードルが高いし、ゴリゴリのプログラマーにはセンスが足りない。
要するに、右脳と左脳を適度に使うことが要求される数少ないソフトです。

ぼくにピッタリだったから、オファーも多かった気がします。
あーあ、無くなっちゃうんだ。。

残念に思う気持ちと同時に、WEBと言う媒体が、
「デザイン価値」から、「有益なツール」へとその役割を変えたことに気付きます。
より機能的に、より速く、使いやすいものでなければ淘汰されてしまう時代なのです。
古い価値観は、進化の妨げにしかならず、従わざるものは取り残されても文句は言えません。

そんな、ドライな業界で働きながらも、
未だに、2本の指しか使えずに、ガラケーしか持たない、職質ビーサン野郎。
このまま、FLASHのお仕事依頼が無くなっちゃうと、自分の脳の特性を活かせるお仕事は減っちゃいそうです。
でも、有り難いことに、もう1つの文系脳が、
エモい文章とワードセンスで弱小企業である当社の業績を支えてくれています。

当社のWEBマーケティング事業の神髄は以下の2点に象徴されます。

1)検索エンジンに対しては効率よくゴマを擦りながら(理系脳)
2)ユーザーに対しては刺さる内容で(文系脳)

そして、勘のいい方は既にお気づきのことかと思います。
両者に共通する必要不可欠な要素は、「発想力」なのです。

他社と同じ内容で勝負したなら、マンパワーや資本の多い方が勝つに決まっています。
でも、完全にオリジナルな内容であれば、アリが象を倒すことだって出来るのです。

宇宙船から降りてきた最先端のAIロボットの前に、葉っぱ1枚でアソコを隠す全裸の野生児。
さあ、勝つのはどっちだ!?
少なくとも、セクシーなのは後者の方。

ぴぃちゃんち