【第6回】オリジナルを探すことから着手
2020年11月12日(木)

【第6回】オリジナルを探すことから着手

マーケットインとプロダクトアウト。

前者はニーズに合った物やサービスを提供する方式で、
後者は市場調査抜きに普遍的な価値の高い物やサービスを提供する。

後者はブランディングが確立された分かり易い、誰もが憧れるスタイルですね。
例えば、「虎屋の羊羹」「エルメスのバーキン」など。
同業他社との競争はあるものの、固定ファンを持ち、価格競争に頭を悩ませる心配もないです。
伝統を守るのは、端から見ているよりも多大な苦労があるとは思いますが、ある意味羨ましいですね。
だって、ほとんどの企業は前者のスタンスで事業を推進して行く必要があるわけですから。
日々変化して行く時代に適応しながらも、ベースを変えずにマイナーチェンジを繰り返す。

ん?待てよ。
これって、当社のキッチンカー事業に似ているぞ。

当社の事業内容に、1つだけ飲食業というクリエイティブとは全くかけ離れたジャンルの事業があります。
最近では、キッチンカーの方が有名になったので、
後から当社の本業を知っていただくケースの方が多いかもしれないです。

BtoBと違って、BtoCの世界では、何よりも流行り廃りのスピード感が違います。
特に飲食業界においては、その特徴は顕著に現れています。

「生き馬の目を抜く」

字面だけ見ると、ヤバいくらいのホラー。
ヴィーガンの僕には考えられない動物虐待。
実際はそのようなことはありませんが、ある意味恐ろしい世界であることは事実です。

当店のキッチンカーはフレンチトースト専門店です。
数ある料理の中から、なぜフレンチトーストを選んだのかとよく聞かれるのですが、
答えは、「なんとなくです」としか言えません。
ただ、その思いつきとは裏腹に、僕なりのアイデアを盛込んだプロデュースを実施しました。

車内にステーキを焼くような大きめの分厚鉄板を設置し、
注文が入ってからお客様の前で一気に焼き上げます。
両面焼いたフレンチトーストを食べやすい大きさにカットしてカップに入れてご提供。
トッピングも数種類ご用意してお好みのフレイバーを発見してもらうスタイルです。

まったくのオリジナルな発想でのスタートでしたが、アイデアの希少価値が高く、
食べ歩きに便利なカップインスタイルから瞬く間に人気が出ました。
メディアに引っ張りだこで、朝の情報番組に生出演したり、雑誌で取り上げられたり完全にブレイクを遂げます。

「出る杭は打たれる」

とばかりに、早速、飲食業界の洗礼を受けます。

まず驚いたのは、「カップイン○○」というモノマネ店が無数に現れたことです。
カップインパンケーキに始まり、カップインどら焼きまで出てくる始末。
もう、笑うしかない状態です。

次に現れたのが、当店の看板メニュー「黒蜜きなこ」をパクったメニュー。
かき氷や、クレープ、ワッフルまでなんでもかんでも、きな粉まみれの黒蜜垂れ流し。

そして挙げ句の果てには、限定メニューまでも真似されてしまうことになるのですが、
結論からいうと、元祖は強いのです。
所詮、真似は真似。
長続きしませんでしたね。

というのも、あちらがスーパー銭湯ならば、こちらは天然源泉です。
いくら真似されても、次々とアイデアは湧いてきます。
追いつかれてもすぐに引き離す、そして、一生追い抜かれることはないのです。

アイデアの付加価値とは、ベース部分となる基本がしっかりあるから成り立つもの。
分かり易い言い方をするならば、当店のベースはフレンチトーストそのものにあります。

卵・乳製品・白砂糖を不使用のヴィーガン食パンに、甜菜糖と豆乳。
無添加は当り前の時代に、更なる食のバリアフリーとなるプラントベースに統一しています。
ポリシーと味の両方が成り立つギリギリのラインで調整しています。

ただの奇をてらったアイデアだけでは、食べた人に悪い印象しか与えないことは明白です。
トッピングは必ず、ベースの味とコンセプトにマッチする範囲で選定するように心掛けています。

トータルでどう見えるのか。
総合的にどのような味に仕上がるのか。
ユーザーの課題と欲求を満たすものになっているか。

8年間でリリースしたメニュー数207作品のすべてが満足のいくものではありませんが、
フレンチトースト専門店としてこれ以上のメニュー数は他店にはないと自負しています。
その甲斐あって、今では毎回リリースする新作を目当てにご来店下さる方も増えています。

セルフプロデュースはこれが着地点ではありません。
キッチンカーというモバイル特性を活かし、
「サンプリング」、「モニタリング」といった
本業のマーケティング事業に結びつけることを目的としています。

日本の会社の9割以上が従業員数100人以下の中小企業で占められています。
オリジナルな強みを活かし、他社との差別化を計る戦略がないと、
生き残ることは難しいのではないでしょうか。

身を以てチャレンジしているからこそ、具体的な提案が出来ると思っています。
SNSは目的にはなり得ないのでご注意下さい。
あくまでも拡散させる手段であり、着地点がない拡散は一過性の流行に過ぎません。

オリジナルなストロングポイントを探し、着地点を見つけ、効率よく運用する。
当社と一緒に、本当の意味でのマーケットにインし直しませんか。

ぴぃちゃんち